5つ年上のアメリカ人の彼とお付き合いしてから初めてのバレンタインを迎えた時のことです。http://idahoioof.org/
とても大好きで片思いしていた彼とようやくお付き合いできることになって嬉しくて大張り切りしていた私は手作りのチョコレートケーキを作ることにしました。
お菓子作りは私の数少ない特技のひとつでいつも家族や友達に褒められていたし、一時は自分でもプロを目指そうと思ったくらいでした。
それでケーキのデザインを決め・こだわった材料を揃えて事前に何回か練習までしてケーキを焼きました。
ドライブデートの予定でしたからお弁当もばっちり作り、ワクワクしながらのバレンタインデートでした。
待ち合わせ場所に現れた彼はいつもよりもちょっとお洒落して大きな箱を抱えて満面の笑顔でした。
目的地に行くまでの間もおしゃべりが途切れることもなく、ふたりともワクワクしていたのです。
私の用意したお弁当にも彼はとても感激してくれて、満を持して出したケーキもすごいすごい、美味しそうだと喜んでくれて、ここまではよかったのです。
彼は私に僕からも君にプレゼントがあるんだ、と例の大きな箱を渡してくれました。
なんだろう、とあけてみるとなんとそこにはものすごく精緻なチョコレートで作ったバラの花と白鳥をデコレーションしたケーキが出てきたのです。
息を呑む私に彼がニコニコしながらアメリカではバレンタインは男性から女性に花を贈ったりするんだ、と説明してくれました。
でも日本ではチョコレートをプレゼントし合う、と友人から教わったらしくそれならいろいろ材料も揃えられるし私の好きなものを作ろうと思ったそうなのです。
彼のお友達は「友チョコ」についての話をしたようですが、彼は恋人同士でもアリなんだと解釈したようでした。
趣味のひとつに模型づくりがあった彼にとって細かい手作業はお手の物、チョコの花も白鳥も集中して作業すれば不可能ではなかったのです。
私の自慢のケーキのデコレーションはごく月並み、チョコペンでメッセージを書き・周りにはハートのモチーフをあしらったくらいでした。
完璧なバラと白鳥の横に並ぶと月とスッポンくらいの差があります。
嬉しかったけど、お菓子作りに対する私の自信を木っ端微塵に砕いた経験です。